彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
食後のコーヒーをいただいていたら朔也さんがもう一度来て。


「桃華ちゃんにお土産用意しておいたから、帰るときにうけとってね」

「え?」

「純哉はさっき飲んだやつ持って帰る?」

「お?いいの?」

「まだ時間も早いし純哉の家で飲みなおせば?」


主任の家で?飲みなおす?


「待っててくれれば十二時ぐらいには俺も行けるし」

「は?」

「初日の出も一緒に見に行けなかったし、俺だって桃華ちゃんと話ししたいし」

「なにそれ、わけわかんねー」


主任がおもいっきり嫌がってます。
そうだよね。いきなり家に来るとか言われたら普通はこうなるよね。


「ね?桃華ちゃん。どうかな?」

「あ、あの。でも……」


目の前の主任を見る。
だって、嫌だってオーラすごく出てるし。


「……実は昨日、俺の誕生日だったんだよねー。桃華ちゃんにお祝いしてもらいたいなーなんて」


少しだけ寂しそうに言う朔也さん。

お誕生日って知ってたらちゃんと準備してきたのに!
今日ここにくるんだし、主任もそういうこと言ってくれればいいのに。


「え?!そうなんですか?お祝い何も用意してなくて、」

「だから、いいよ?これからお祝いしてくれたら、ね?」


ね?って朔也さんのそのウインク一つの攻撃力は半端ないんですって。
至近距離で、それってほんとやめていただきたい。

だって、視線の隅っこに見えてる主任がすごい形相で睨んでるから。

こ、怖いです、主任。


「主任も迷惑じゃ―――」
「そんなわけないから、大丈夫。な?純哉」

「あ?」

「大丈夫、だよな?」


後ろを向いて主任に言っている朔也さん。私からは見えないけれど、主任に何か言ってるような…


「……早く、来いよな。天ヶ瀬さんだって疲れてるんだから」

「おっけーわかった。クローズしたらなるべく早く行くよ」


そう言うと、いつものように丁寧にお辞儀をして戻っていった朔也さん。

えっと、なにこれ。

主任のおうちに行って朔也さんと主任と三人で飲むの?
< 303 / 439 >

この作品をシェア

pagetop