彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
ちょうどバイトの子たちが自分の席に戻るところだった。
主任が私に気づいて少しだけ口角をあげる。
あぁこの瞬間の主任の顔が好き。
そんなことはもちろん言えるわけない。
お礼を言いに来たことを思い出すと、主任に声をかけた。
「主任っ、今までお世話になりましたっ」
「こちらこそ。天ヶ瀬さん、座りませんか?」
空いている席に座るよう言う主任。
「あ、はい。失礼します」
「大丈夫、ですか?」
へ?何が?
何のことかわからずきょとんとしてしまう。
「いえ、大丈夫ならいいんですが。」
だから、大丈夫ってなに?
一度主任を見たけど、その理由は教えてくれそうにない。
私は仕方なく、自分が思っていることを口にしはじめた。
「あのっ、主任に色々教えていただいて仕事って楽しいなって思いました。本当にありがとうございました」
改めて頭を下げお礼を言う。
うん、ちゃんと言えた。
これでもう……
「色々吸収してくれる天ヶ瀬さんに無理も沢山言いましたが、そう言ってもらえると嬉しいですね」
「いえ、いつもご迷惑ばかりおかけして……」
「色んな天ヶ瀬さんを見ることが出来て、それは違う意味でも楽しかったです」
違う意味でって言われて思い浮かんだのは、
「それって、階段踏み外したり、迷子になったり、ですか?」
「ハハ そう、ですね」
あぁこの笑った顔を見るのもこれで最後なんだ。
最後にこの顔が見れただけでも、良かったな。
「それじゃ、私はこれで失礼します」
もう一度頭を下げて席を立とうとした瞬間に、
「終わったら送って行きますから、そのまま待っていてください」
屈んだ私の耳元で私だけに聞こえるように主任が囁いた。
驚いて主任を見たけど、幹事の人が来てすでに主任と話しはじめてた。
だからそれが本当に主任が言ったのか、もう一度聞き返すことは出来なかった。
なんだかよくわからないまま望亜奈さんの元へと戻る。
「おかえり。主任とちゃんと話せた?」
「……」
私の様子が変なことに気づいて、望亜奈さんが聞いてきた。
主任が私に気づいて少しだけ口角をあげる。
あぁこの瞬間の主任の顔が好き。
そんなことはもちろん言えるわけない。
お礼を言いに来たことを思い出すと、主任に声をかけた。
「主任っ、今までお世話になりましたっ」
「こちらこそ。天ヶ瀬さん、座りませんか?」
空いている席に座るよう言う主任。
「あ、はい。失礼します」
「大丈夫、ですか?」
へ?何が?
何のことかわからずきょとんとしてしまう。
「いえ、大丈夫ならいいんですが。」
だから、大丈夫ってなに?
一度主任を見たけど、その理由は教えてくれそうにない。
私は仕方なく、自分が思っていることを口にしはじめた。
「あのっ、主任に色々教えていただいて仕事って楽しいなって思いました。本当にありがとうございました」
改めて頭を下げお礼を言う。
うん、ちゃんと言えた。
これでもう……
「色々吸収してくれる天ヶ瀬さんに無理も沢山言いましたが、そう言ってもらえると嬉しいですね」
「いえ、いつもご迷惑ばかりおかけして……」
「色んな天ヶ瀬さんを見ることが出来て、それは違う意味でも楽しかったです」
違う意味でって言われて思い浮かんだのは、
「それって、階段踏み外したり、迷子になったり、ですか?」
「ハハ そう、ですね」
あぁこの笑った顔を見るのもこれで最後なんだ。
最後にこの顔が見れただけでも、良かったな。
「それじゃ、私はこれで失礼します」
もう一度頭を下げて席を立とうとした瞬間に、
「終わったら送って行きますから、そのまま待っていてください」
屈んだ私の耳元で私だけに聞こえるように主任が囁いた。
驚いて主任を見たけど、幹事の人が来てすでに主任と話しはじめてた。
だからそれが本当に主任が言ったのか、もう一度聞き返すことは出来なかった。
なんだかよくわからないまま望亜奈さんの元へと戻る。
「おかえり。主任とちゃんと話せた?」
「……」
私の様子が変なことに気づいて、望亜奈さんが聞いてきた。