彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
いつも通っている道を、主任の運転で家に帰る。
なんとも不思議な気分。
運転席の主任をチラチラと盗み見る。
なんで主任、お酒飲まなかったんだろう。
ほんとはお酒飲めるはずなのに。
盗み見てたはずが、自分でも気づかないうちにじっと見てたらしく
「どうか、しましたか?」
ふいに隣から聞こえてきた主任の声に、頭に浮かんでいた言葉をそのまま口にしてしまう。
「あ、の、主任。なんでお酒飲まなかったんですか?」
「……天ヶ瀬さんが飲んでいたので」
確かによろよろしてるし、ばれちゃうだろうとは思ったけど。
え?でも。飲んでたからってことは最初から見てた?
「……結局、何杯飲んだんですか?」
え、それ聞いちゃう?
だけど、主任に聞かれると嘘をつけないって言うか。
「あ、えっと。三杯、です」
「飲みすぎ、ですね」
「……はい」
うん、そう言われても仕方がない。
しかもまた主任に迷惑を掛けちゃってる。
「ご迷惑をおかけして、すみません」
またまた謝りの言葉を口にした私に
「あぁそうだ。お詫びに天ヶ瀬さんの家でコーヒーをご馳走してくれますか?」
「へ?コーヒー?ですか?」
「はい」
「そんなことでいいなら、はい」
水族館に行く前も主任はうちでコーヒー飲んでいったし。
たったそれだけのことでいいなら。
それに、まだ肝心なこと言えてない。
うちでだったら、言えるかもしれない。
一人暮らしの家に、しかも夜にいれる事がどうとか、私は全く考えもせずに。
ただ気持ちを伝えようとそのことばかり考えていた。
きっちりと駐車スペースに車を止めると、私が外に出るのを見てから主任も車から降りた。
そして、「はい」と言って車の鍵を渡してくれたはずだったのに、何故かその手を握られたまま。
車の鍵を握り締めたまま手を繋いでいる。
「あ、の?」
「階段気をつけてくださいね」
私の言うことには耳も貸さずにそのまま階段を上り始める。
どうせまた、転ばないようにとか、そんな理由なのに。
それなのにもう一度繋がれた手に、私の心臓がドキドキとうるさく騒ぎ出す。
なんとも不思議な気分。
運転席の主任をチラチラと盗み見る。
なんで主任、お酒飲まなかったんだろう。
ほんとはお酒飲めるはずなのに。
盗み見てたはずが、自分でも気づかないうちにじっと見てたらしく
「どうか、しましたか?」
ふいに隣から聞こえてきた主任の声に、頭に浮かんでいた言葉をそのまま口にしてしまう。
「あ、の、主任。なんでお酒飲まなかったんですか?」
「……天ヶ瀬さんが飲んでいたので」
確かによろよろしてるし、ばれちゃうだろうとは思ったけど。
え?でも。飲んでたからってことは最初から見てた?
「……結局、何杯飲んだんですか?」
え、それ聞いちゃう?
だけど、主任に聞かれると嘘をつけないって言うか。
「あ、えっと。三杯、です」
「飲みすぎ、ですね」
「……はい」
うん、そう言われても仕方がない。
しかもまた主任に迷惑を掛けちゃってる。
「ご迷惑をおかけして、すみません」
またまた謝りの言葉を口にした私に
「あぁそうだ。お詫びに天ヶ瀬さんの家でコーヒーをご馳走してくれますか?」
「へ?コーヒー?ですか?」
「はい」
「そんなことでいいなら、はい」
水族館に行く前も主任はうちでコーヒー飲んでいったし。
たったそれだけのことでいいなら。
それに、まだ肝心なこと言えてない。
うちでだったら、言えるかもしれない。
一人暮らしの家に、しかも夜にいれる事がどうとか、私は全く考えもせずに。
ただ気持ちを伝えようとそのことばかり考えていた。
きっちりと駐車スペースに車を止めると、私が外に出るのを見てから主任も車から降りた。
そして、「はい」と言って車の鍵を渡してくれたはずだったのに、何故かその手を握られたまま。
車の鍵を握り締めたまま手を繋いでいる。
「あ、の?」
「階段気をつけてくださいね」
私の言うことには耳も貸さずにそのまま階段を上り始める。
どうせまた、転ばないようにとか、そんな理由なのに。
それなのにもう一度繋がれた手に、私の心臓がドキドキとうるさく騒ぎ出す。