彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
いつの間に会計を終えていたのか、素敵な笑顔の朔也さんに見送られてお店を出た私たち。


あいかわらずの無言で車に乗り込む主任。と、その後に続く私。

今度はちゃんと助手席に迷わずに行く。


運転席の主任はいつもと変わらない様子で、

お店の中で朔也さんとしゃべっていたあの人は幻だったのでしょうか。


「このあと3店舗まわって、最後に新店行きます」

「あ、はい。わかりました」


えと、そだ。ランチ代。


「あの、ランチ代は、おいくらで……」


なんか日本語変な気がするけど、そんなこと気にしてられない。


「いえ、いいです。こちらが勝手に連れて行ったんですから」

「でも、」

「……ハァー それでは、朔也の言うように今度、夜同行してください」


同行って?
夕飯を一緒に食べるって事?

ディナーに誘われる甘い感じじゃなくて、あくまでも同行。
仕方なく、一緒に行って欲しいって言うお願い。

しかもため息付き。


「あの?……はい」


よくわからないけど、その場の話だけでしょ。
なんて甘い事考えてた私。

でも主任の性格からいって、一度口に出したことは……




2時前に朔也さんのレストランを出て、たった今3店舗目を終了。

今は5時。
ラストは新店を残すのみ。

ルート的にはここが最後っていうのは効率がよくないから、なんか理由があるのかな?
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