彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
ラグに座ったままの主任。
下から見上げるようにして見つめてくるだけでは飽き足らず、私が膝の上で握っていた手を、取り…?

ちょ、主任、なんで私の手で遊んでるんですかっ?!


「あとは?」

「えと、あの。そのっ、手っ」


人の手で遊ぶのやめてっていうか。
だから何でそういう、手を…そうだ、これも聞かなきゃだった。


「ん?手?」

「あの、だから手をですね。……何で繋ぐのか、とかっ」

「繋ぎたいから」

「いや、だからそうじゃなくてっ、その理由っていうか……」

「モモはこうするの、イヤ?」


そう言いながらもまだその手をいじってる。
好きな人に触れられて嫌な人なんていない。むしろ、もっと…?
うわ。私今、なんかすごいこと考えてたっ


「……いえ、」

「そ、じゃ。いいね」


いいっていうか、ダメっていうか、なんていうか。
気のせいか空気が甘くない?


「いや、あの、今日ってどこに?」

「ココ」

「誰が?」

「モモと俺」

「なんで?」

「イヤ?」

「……。」


全然答えになってません。
ちょっと涙目になってきた私に、


「なんでここに連れて来られて、どうしていいのかわからないって顔。」

「へ?」


あーまた顔で考えよみましたね?主任。
わかってるなら、答えを教えてくれてもいいんじゃないですか?
さらに涙目。


「モモに会いたくて、モモに触れたくて帰ってきた」

「え?」

「何だと思ったんですか?」

「いや、えと、何かなぁと?」

「彼女に会いにきたらいけませんか?」


彼女?
って彼女ってかのじょ?ってここにいるのは私しか……


「モモ。なんの、つもりだったんですか?」

「え?だってしゅに、…ジュンさん。えと、え?」

「そういえば、モモにまだ返事もらってませんね?」


パニック気味の私にまた畳み込むように返事とかいう?
下を向いて一度目をギュって瞑って開けてみると覗き込むように答えを待つジュンさん。


「モモ、」


この声に呼ばれるたびに
こんな風に手を繋ぐほどに
もっともっとってどんどん欲張りになるのに……

苦しくて切なくて
どうしていいかわかんなくて
喉の奥が熱くなって

……あ、まずい泣きそうかも
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