キミは俺のモノでしょ
「廊下の電気」


兄にだけ聞こえるような、小さな声で話す。


「別にいいよ。そのうち雫さんが消すでしょ」


兄も囁くように返事した。


「お母さんに……見つかったら?」


おさまらない。

いつも以上に激しい鼓動がっ……。


「見つかったらまずいの?」

「……え?」


そりゃあ、こんなの見られたらビックリされるよね?


「いけないことしてる自覚あるの?」

「なっ……」

「うららは、今、悪いことしてる気分なんだ?」

「悪いとかは……思わないけど、」

「けど?」

「もう高校生なのに一緒に兄妹で眠るのはちょっと変だよね」

「ふぅん。うららは、俺のこと兄だと思ってるんだ?」

「そりゃあ……」


沈黙が流れる。


「お兄ちゃん?」

「…………」

「寝ちゃった?」

「うららってさ」


起きてた……。


「なに?」

「うららって、嘘つきだよね」

「……え……」


なんでそんなこというの?


「俺のこと兄だと思ってないよね?」

「そんなこと……」

「ほんとは物足りないんじゃない?」

「なに、それ」

「俺とこのまましたいことあるでしょ」
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