キミは俺のモノでしょ
「そんなことない……」

「あるよ」


だったら、お兄ちゃんは……

お兄ちゃんは、


「少しもわたしのこと家族って思ってないの?」

「当然」

「そんなぁ……」

「お前みたいなのが妹っていうなら、俺は要らない」


ズシン、と心が重くなる。


……悲しい。


こういう形だとしても、せっかく出会えたのに。


「ねぇ、うらら」

「…………」

「クサいんだけど」

「え?」

「臭う」

「だっ……だから、お風呂入ってこようかって言ったのに……」


離れようとしたら、余計に抱きしめられた。


「ちょ……っ、お兄ちゃん?」

「なぁ。誰のニオイ?……これ」
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