キミは俺のモノでしょ
“これ”って?


「タバコ」

「!」


まさか――伊勢谷先生……?


倒れそうになったところを支えてもらったとき。

先生から煙草のニオイがして。


でも、それは微かにで。

先生だって自分でわかっていないくらいの香りで……


わたしにうつったりするかな?


いや、もしかしたら、他人の香りだからこそ敏感に気付けるのだろうか。


「まさか、あいつ?」

「……あいつって?」

「うららと二人で補習受けようとしてた、ヤンキーみたいなヤツ」

「っ、違う……!! 永浜くんじゃないよ!」


永浜くんは煙草吸ったりしないよ。

見た目は派手だけどお洒落したいだけって感じの個性派で、良い人だ。


「その言い方……別に思い当たる人がいるんだ?」

「えっ……それは、」

「いるんだ?」
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