キミは俺のモノでしょ
小学校にあがると、うららと俺に『成績』というハッキリと目に見える差ができた。


通知表にある三段階評価、[よくできる・できる・がんばろう]のうち[よくできる]にしかチェックがつかない俺。


一方、[できる]と[がんばろう]にしかチェックがつかない、うらら。


「凄いわねぇ、雅くん」

「うららは……次はもうちょっと頑張ろうね」


雫さんにそんなことを言われるたびに、うららは肩を落としていた。


雫さんがうららの宿題を見てやっているとき、


「そうじゃないでしょ」

「なにがわからないの?」

「……雅くんはできるのに」


俺を引き合いに出し、やっぱりうららは悲しそうにしていた。
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