キミは俺のモノでしょ
まっとうな家族関係じゃなくていい。

ただ、うららとの繋がりが途絶えなければそれでいい。


たとえそれが

うららの目にうつる景色が、偽りだとしても。


一緒にいられれば、それでいいんだ。

一緒にいられなきゃ、意味がない。


俺の中にあるのは家族愛なんかじゃない。

そんなもの、一度だって持ったことがない。


芽生えたのはもっと特別なモノ。


特別な愛情。


喜べ、うらら。


キミに特別をあげる。


キミは俺といる限り、ひとりぼっちじゃない。

たくさん愛される。

守ってだってあげる。


うららは、俺が必要でしょ?

俺も、うららが必要なんだ。


だから今はここで生きよう。

そしていつか、二人で生きていこう。

二人だけの邪魔者のいない世界で。


それがいい。

そうでなきゃ、困る。


「……お兄ちゃん」

「ん?」

「どうして昨日の夜……わたしの布団で寝ていたの?」
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