キミは俺のモノでしょ
「ご飯たべよ、うらら」

「食べたく……ない」


俺の意見に賛同しないうららに、苛立ちを覚えた。

うららが一度だって俺に刃向かったことがあっただろうか。


「うらら」

「もういっかい」

「え?」

「寝れば、思い出せるかな」

「……!!」

「わたし……わたしね、お兄ちゃん」

「うらら」


笑ってみせるが内心ふつふつと怒りがこみ上げてきていた。


なぜはやくイエスと言わない?


「なにか大事なこと、忘れてしまったかもしれない」

「うららっ……!」


を呼びかける声がだんだんでかくなっていく。


……お前は俺のモノだろ?

どうして、言うことをきかない?


俺の言う通りにすれば、俺たちは幸せになれるのに。


記憶をほじくり返し、こじれさせ、家族がバラバラになったらどうする?


お前だってなにも知らない方が……幸せだろう?


——ひとりで平和ボケしてろ。
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