キミは俺のモノでしょ
それって……

もしかして、永浜くんって、架里奈のこと


「勝手に決めないでよ」


——!


屋上手前の踊り場に、架里奈がしゃがんでいた。


「アウトとか、勝手に決めるなバカ」

そういって立ち上がると永浜くんの前に立つ。


「な……お前、話聞いてたのかよ?」

「あんなデカい声で話してたら聞こえるっつーの」

「誰もいないと思ったから」

「なに、うららのこと、こんなひとけのない場所に連れてきてんのよ」


それは誤解だよ、架里奈……!

むしろ連れてきたのは、わたしで。

架里奈を探しに出てきたわけで。


「……お前こそ、いきなり飛び出すなよ。クラスのやつら、驚いてたぞ。うららも、心配してるし」

「…………」

「俺だって」

「なによ」

「お前がいつも通り怒ってくれなきゃ、調子狂うだろ」
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