キミは俺のモノでしょ
目の前の光景がまるで少女漫画の中の出来事のように映像として流れていく。


なんてドラマチックなんだろう。


二人は両想いだったんだ。


わたしの知らないところで恋人のような時間を過ごしていたんだ。


それって……すごい。


すごいよ、架里奈。


「へんなとこ見せちゃったね。ごめんね?」


そんなことない。素敵だと思う。


「つーことで、晴れてカップルだな? 俺たち」

「まだオッケーしてないんですけど」

「するよな?」

「……っ、するけどさぁ」

「だろ」


普段よりも永浜くんがリードしているように見える。


「うらら、いつも通りにしててね? あたし達に気とか使わないでね……!」

「うんっ」


そう返事したわたしの心に、ふつりとひとつの感情がわいた。



……恋って、いいな。
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