キミは俺のモノでしょ
わたしにとって、『恋』とは未知の領域だ。


言葉でなにひとつ説明できなければ、感じ方もわからない。


仮にこれまでに誰かを好きになっていたならば自分で気づいたと思うんだけど、思い当たるふしがない。


「あ、ちょっと!」

「あなた雅くんの妹だよね?」


同じ高校の制服を着た知らない女子に声をかけられた。


「雅くんと仲良くなりたいんだけどー。協力してくれない?」


見たことない人だ。……先輩かな。


「し・ま・せ・ん!」


架里奈がハッキリそういうと、「失礼します。行くよ、うらら」わたしの手を引き、わたし達はその場から離れた。
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