キミは俺のモノでしょ
だって。


あれじゃ、まるで、


お兄ちゃんが、

わたしを独り占めしたいみたいだっ……。



「おーい。うらら」


そんなわけないのに。

欲しいなんて、思われていないのに。

なのに動揺してしまう。

こんなんだから、からかわれるんだろう。


「うららってば」

「……え……」

「どうしたの。ぼーっとして」

「……あ。えっと。徹夜続きで眠くて」


事実だった。

だけどそれが一番の理由じゃない。


……兄と過ごした夜の記憶が頭から離れない。


「今夜はゆっくり寝てね? 合格点とったんだし」

「う、うん。ありがとう」

「雅くん喜んでくれるね」

「え?」

「だって勉強教えてくれてたの、雅くんなんでしょ?」

「……うん」

「愛されてるねぇ」

「わたしが、愛されてる?」

「……あのさ、うらら」

「?」

「あたし、あのとき思ったんだけど……」
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