キミは俺のモノでしょ
——架里奈がおかしなことを言い出した。


「Wデートっ!?」


数十分前、架里奈に、思わず聞き返したわたし。


「うんうん」

「っ、な、わたしも!?」

「どこ行こうかな」


ニヤっと笑いノリノリの架里奈。


「わたし、彼氏いないのに……デートなんてっ」

「そんなことないよー?」


人差し指を立て、架里奈が得意げに続けたんだ。


「別に恋人じゃなくても男女四人が集まれば立派なWデート成立だよっ」


……そうなの?


「架里奈は、永浜くんを誘うの?」

「もちろん」

「わたしは誘う男の子なんていないよ?」


男友達って永浜くんしかいないし。


「ねぇねぇ、雅くんって映画とか見るの?」

「へ?」

「いや。ここは遊園地なんてどうかな?」

「……えぇ!?」


二人のデートにわたしが男の子と同行する展開も謎だけど、どうしてそこで兄の名前があがるのかも謎すぎた。

兄妹でデートっておかしいもん。


「せっかくだからちょっと遠出しようよ」
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