キミは俺のモノでしょ
「おいで」

「ひゃあ……」


手をグイッと引かれ、兄の部屋に招かれた。


カチャっと静かに扉が閉まるとそこはもう、兄とわたしだけの空間だ。


少し離れた寝室には母がいる。

もう眠っているかもしれないから大きな声を出さないように気をつけよう。


「効果あったみたいだねぇ」

「……こ、効果?」

「〝大好きなお兄ちゃんに相手してもらえなくて寂しくてたまらなかったです〟」


——!?


「……って、書いてある」


兄が——じっと顔を覗き込んできた。
< 194 / 438 >

この作品をシェア

pagetop