キミは俺のモノでしょ
さっきから兄の言葉の端々が色々と引っかかる。

なのに、それを否定しきれない自分がいる。


わたしは兄にかまって欲しかったの……?

そうなの?


「言いなよ」

「や……その、10字以内で、思いつかない……」

「普通に話せば?」

「……えっ、いいの?」


それじゃ、言おう。

おかげ様で追試に合格したよって。

ありがとうって。


お礼いってはやく部屋に戻ろう。


「……うららってさぁ」


首元にそっと手をあてられる。


「ひゃっ、」


くすぐったい。


てか。

え、

首、締めようとしてる……!?


……ううん、大丈夫。力は入れられてない。


「な……なにっ?」

「ほんと、俺のいうこと忠実に守るよね」

「え……」

「ペットみたい」


それは褒められているのか貶されているのかよくわからない。


「ここに……輪っかつけたい」
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