キミは俺のモノでしょ
そんなのおかしいよ。


「……大切なら、傷つけるんじゃなきくて、守るものじゃないの?」


すると、兄か穏やかな表情になる。


「守ってるよ」

「?」


兄の言いたいことがわからない。

なにを守っているかも。


「守ってなきゃとっくにボロボロになってるでしょ。身も心も」


……人?


それは人なの?


「信じてきたものが偽りだと知ったらどうなるのかな」

「……?」

「俺はね。最初は、自分の為に誤魔化した」


誤魔化した?


「だけど違ってて。いつしかその目に映る世界が綺麗なものだけであって欲しいと願ってた」

「なに……いってるの?」

「歪んでるのは、俺だけでいい」
< 200 / 438 >

この作品をシェア

pagetop