キミは俺のモノでしょ
「え……」

「ホントにいえる? 誓える? 俺のこと兄って」

「…………」


誓えるもなにも。

わたしたちは、小さい頃から兄妹で。

それが当たり前だった。


なのに、それを否定されてしまったら、

どうしていいかわからないっ……。


「ねえ。今、なにを期待してる?」

「っ……期待なんか、」

「このまま唇が触れればいいのにって思ってる?」


――!!!


「そんなこと……思ってない」

「ほんとかな」

「当たり前っ……」

「したことないからかな。一度しちゃえば……うららからねだるようになるかな?」

「冗談いわないで、」


そういうのは恋人がすることでしょ。

間違っても兄妹はしない……。


「俺さぁ。あんまり好きじゃないんだよね」

「え?……なにが?」

「キス」
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