キミは俺のモノでしょ
「なあ、航太。なんで桜井誘ったの?」

「それは、紡が来栖雅のこと気になるって言うから協力してやろうと——」

「ほんとにそれだけ?」

「ん?」

「ああなるのわかってて、連れてきたんじゃねーの? 自分のために」

「……なんだよ政次。怒ってるのか?」

「いや、別に。俺はみんなが楽しくできたらそれでいいけど」

「みんな楽しく? 笑わせんな。そんなの最初から無理だ」

「え?」

「今日は一波乱起きるよ。まんまと乗せられたよな、俺も。まぁ、またとない絶好の機会だけど」

「……無茶すんなよ」

「わかってるわかってる」


永浜くんが真顔で航太くんとなにか話しているけれど、人混みだから二人の会話がざわめきにかき消されよく聞こえない。


はぐれないようにしなきゃ。

こんな場所で迷子にでもなったら大変だ……。


「よしっ!! まずはあれ乗るよ〜!!」


ゲートをくぐったわたし達。

架里奈に誘導されて辿り着いたのは、そのパークで一番怖いと言われている魔のローラーコースターだった。
< 248 / 438 >

この作品をシェア

pagetop