キミは俺のモノでしょ
「えぇ……」

「俺、思うんだけどさ。女の子のバッチリキメましたって顔よりも素の表情してるほうが断然そそられる」

「……そそられる?」

「いいから、それちょうだい」

「わかった」


航太くんと連絡先を交換した。


「送信できたよ」

「あ。きたきた」

「どうせならみんなで撮りたいね!」

「そう? 俺的には、うららとのツーショットの方が価値あるけど」

「へっ……」

「なにげに今、連絡先交換できたのすげぇ嬉しい」


航太くんと二人になってからというものの、リードされっぱなしで。

なにもかもスムーズで。


その上こんなことまで言ってくれて。


航太くんは同級生であり、友達であり、同時に男の子なんだってことを実感させられる。

航太くんは女の子がどうすれば喜ぶかよく知ってそうだ。


永浜くんには小学生みたいだなんて笑われたわたしが。

兄には日頃からバカにされ続けているわたしが。


今、女の子扱いされている。


それは、素直に嬉しい。
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