キミは俺のモノでしょ
どんくさいし。頭悪いし。

ハッキリしないし。


「お兄ちゃんはあんなに優秀なのに、わたしは劣等生で」


って、やばい。言ったそばから泣きそう。


「今だって航太くんがしんどくなってる理由すらわからないバカだし」

「違うようらら」

「え?」

「あのさ。しんどいってのは、つまり——」

「!」


——頬に、手をそっとあてられる。


驚いてアイスを落としそうになった。


「お前が可愛すぎてしんどいってこと」

「……!?」


いつも笑顔を向けてくれるのに、笑っていない。

真剣な顔して、じっと見つめられる。


「言葉のあやだっつーの。苦痛でしんどい相手なら、一緒になんていないから」

「ほんと?」

「むしろ俺、さっきまで……お前にキスしてやろうと思ってた」

「……えぇ!?」

「てか。キス、してもいい?」
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