キミは俺のモノでしょ
どうしよう。

二人をなだめる言葉も出てこないし方法も思いつかない。


わたしが勝手なことしたから兄は怒ってるんだ。

わたしのせいだ……。


「大口叩いてる割にはこんな風に追いかけてきて少しは余裕なかったりすんの?」

「…………」

「政次に入れた連絡聞いて焦ってすっ飛んできた?」


なにも答えない兄。

口を閉ざし真顔になったのに、それがかえって怖く感じる。


「紡、いい女だろ。性格は少々厄介だけど見た目は申し分ない」

「…………」

「お前も男なら紡みたいな子、食ってみたいんじゃねーの?」

「なにもわかってないね」

「あ?」

「俺がなんの興味もないのに……全然話したくもないのに敢えてあの子にかまってあげてたの、なんのためだと思ってるの?」

「……なにがいいたい」


兄は、ゆっくり航太くんに近づくと、

航太くんになにか、耳打ちした。
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