キミは俺のモノでしょ
「家のこと、やれてる? 家事全般」

「家事は、なんとかやってます」


……主に兄が。


炊事洗濯をなんなくこなしてしまう。

洗い物もアイロンがけもスピーディかつ丁寧に。


そういえば……


『うらら、高校生にもなってこんなダサい下着つけてたんだ?』


朝早くから洗濯をしてくれていた兄から、そういってバカにされたっけ。


ダサいってなに。普通だと思うけど。

オシャレな下着とは?


そういえば体育のとき、着替えていたら見えた架里奈の下着はわたしのと全然違った。


なんか大人っぽかったというか……。

というか、そもそもに、体つきが違いすぎる。

架里奈がつけてるみたいな、なんていうか色気のある下着なんてわたしが身につけたところで浮く。あまる。そしてへこむだけだ。


って。今考えるべきことじゃなかった。


「こんなこと、初めてなんです」

「そうなのか。お父さんは?」

「……多分、気づいてません」

「え?」

「忙しい人なので」
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