キミは俺のモノでしょ
「そうそう。それから」

「?」

「教室に『うららがなにか悩んでるけど言ってくれない。聞き出していいかもわかんない』って頭抱えてるやついたから。なんとかしてやってくれ」

「……!」


もしかして、架里奈かな!?


「なにも全部話すことはないと思うけど、言えることは柏木にも話してやって」

「はい……」

「人ってさ。誰かから頼られると案外嬉しいもんでな? 特に友達とか大切な人からだと余計に力になりたいと思うよ」

「…………」

「ここで考えるのもありだけど、考えてもどうしようもなくなったそのときは周りに相談してみてもいいかも」


そういうと先生は、「余計なお世話だったらすまんな。やっぱり年とると助言でなく説教じみちまうなぁ」と手のひらをヒラヒラとさせて行ってしまった。
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