キミは俺のモノでしょ
「知ってるもなにも。見てれば想像つくけど、あたしらから言うのもねぇ? 永浜」

「だな」

「敵に塩を送る義理ないしなー。アホらし。俺、帰る」


航太くんが机の上の鞄を手に取り立ち上がる。


「ちょっと、田村。これから盛り上がるんじゃん?」

「俺の出る幕ねぇわ。……出たくても」


そういうと航太くんが教室を出た。


「どうしよう、架里奈。わたし、航太くんのこと怒らせちゃった……」

「あー、あいつはガキだから。拗ねただけだよ。明日になればケロっとしてるって」

「そうかな?」

「んー。そうだなぁ。あたし的には……」


じっと架里奈に見つめられる。

アイメイクばっちりで目力ありまくりだ。


「お母さん無事なんだよね?」

「……えっ。うん」

「なら、お母さんのことでうららが気に病むことないと思うなー。ひとまず置いといて」

「置いとくんかい」

「うるさいよ、永浜。で、本題はここから!」

「……本題?」

「そろそろ話してよ。雅くんとのこと」
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