キミは俺のモノでしょ
「つまりさぁ。うらら。雅くんはあんたが可愛くて仕方ないんだよ」


――え?


「溺愛だな」

「んー。ちょっと歪んでる気もするけどね?」

「ある意味ツンデレか?」

「ヤンデレって線もあるよね」

「あー、それは想像できる」 


ヤンデレってなに!?


「やっ……お兄ちゃんに、溺愛も、ツンデレ要素もないよ?」


そしてヤンデレとは。


「だったらこれはなに?」


架里奈が見せてきたのはスマホの画面。

そこに映し出されているのは……


わたしを背負う兄の写真だった。


「なにそれ!?」

「遊園地の帰りに友達があんたらを目撃したらしくて。その隠し撮り」

「え……」

「このあとタクシー乗せてたって。覚えてない?」

「覚えてない。あの日は帰りの電車で寝ちゃって。気づいたらお兄ちゃんのベッ……」

言いかけてマズイと思い口を塞いた。


「気づいたらなに?」

「……なんでもない」

「いや、今のは気になる」

「たいしたことじゃ、ないよ」
< 328 / 438 >

この作品をシェア

pagetop