キミは俺のモノでしょ
「お兄ちゃん……」
どうしてそんなこというの……?
さっきはあんなに優しかったのに。
「お兄……」
「何度言わせるの」
「え?」
「俺は、お前の兄じゃないって。お前のこと妹なんて思ってないって」
「!!」
「ちょっと優しくしたらすぐ勘違いするの、うららの悪いとこだよ?」
「……っ、」
すごく冷たい目で見つめられ、途端に背筋が凍りつきそうになる。
さっきの優しさが嘘だなんて思えない。
だけど今、全力で、突き放されている。
わたし、拒絶されているんだ、兄から。
「いつ」
「え……」
「いつ、会うの。雫さんに」
「わからない……飛行機とか、チケット買ったりしなきゃいけないし。お休みになってから」
「金足りるの?」
「なんとか、する」
「電話じゃだめなの?」
「……きちんと会ったほうがいい気がする」
「どうしても行くんだ?」
「行く」