キミは俺のモノでしょ
さっきまであんなに煩かった雨音がポツポツと小さくなってきた。


「帰って来なくていい」


――!?


「そのまま雫さんと暮らせばいい。ここでないどこかで」

「なんでそんなこというの……?」

「疲れた。もうお前のお守りしたくない」

「!」

「良い機会だ。お前、俺の前からいなくなれ」

「……それが」

「…………」

「それが、お兄ちゃんの気持ちなの?」

「ああ。そうだ。もう一人になりたい」

「…………」

「毎日……毎日……毎日、思ってた。ウザいなぁって。一人がいいのになんで知らない人がうちに居座ってるんだろうって。疑問でならなかった」

「でも。でも……」


なんだかんだ、わたしたちは仲良かったよね?


「飽きた。“家族ごっこ”なんて」

「っ、」

「行くなら行けばいい。どこにでも行ってしまえばいい。ここは俺の家だ。いつまでも他人がいるのおかしい。ねぇ。うららは、そうは思わない?」
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