キミは俺のモノでしょ
昨日は一晩中泣き明かした。


結果、瞼が腫れて妖怪みたいになった。

それで笑われているというわけなのだけれども。


涙というものは、自分の意志に反して勝手に次々と溢れてくるから困ったものだ。

水分を控えたところで気を緩めればまたわいて出てくる。


「あのね」


「うん」
「おう」
「なんだよ」


三人が同時に返事した。


「引かないで……欲しいんだけど、」


「オッケー」
「わかった」
「引く」


――!?


「ちょっと田村。あんた、なに引くとか言ってんのよ」

「だって俺、わかっちゃったもん」

「はぁ?」

「うららがこれから言おうとしてること」
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