キミは俺のモノでしょ
なんでそんなこというの。

どうして話を聞いてくれないの。


「待っ……」

「ついてくるな」


部屋に向かう兄のあとを追う。

いくら薬と点滴でラクになっていても、そんなのは一時的なものだ。


「つかまって」


無視して部屋に入っていく、兄。


……頼って欲しいよ、わたしのこと。


「入ってくるな」


そばにいさせてよ。


服はさっき自分で着替えてた。

顔洗ったりもしてたみたい。

手の届くところに飲み物を置いてある。


わたしの力なんて要らないかもしれないけど。


「なにかできることあったら、言ってね?」


返事はない。


「それじゃ、隣の部屋にいるから……」

「…………」

「いつでも、携帯鳴らして呼んでくれていいし」

「…………」

「家にないものが欲しければ買いに行くからね」

「そんなに俺に……」

「……ん?」



「そんなに俺に――めちゃくちゃにされたいの?」

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