キミは俺のモノでしょ
――兄の、どこにそんな力が残っていたのだろう。
腕を掴まれたと思ったら
あっという間に布団の中に引きずり込まれた。
後ろから抱きしめられ、驚いたと同時に、伝わってくる体温が高いことに気づく。
「ねえ……熱またあがってるよね? 安静に、してなきゃ」
「人の心配してる場合?」
「ちょ……」
兄の手が前にまわってくる。
「これでもまだ身の危険感じない?」
「…………」
「俺がどんなに苦しいか、わかる?」
「そうだよね。さっきまで40℃もあったんだから」
「違う。うららといると、俺は苦しい」
「…………」
「できることがあったら言えって? 欲しいもの知りたいの?」