キミは俺のモノでしょ
「雅っ……」


振り返ると、雅が、なぜかとても辛そうな顔をしていた。


「……っ、やっぱり熱、しんどいの?」

「しんどい」

「薬きれたのかな? 解熱剤、飲む?……あ、座薬だっけ」


座薬って……えっと……その……。


「うらら」

「ん……?」

「うらら」

「……雅?」

「うららを、俺のモノにしたいっ……」


そんなの……

そんなの、


「……もうとっくに、雅のモノだよ……」

「!」

「雅に、妹としてみてもらえなくて悲しかった。寂しかった。だけど、違った。雅から興味をなくされたり嫌われたりするのが、怖かったの、わたし」

「…………」

「わたしの心は、もうずっと前から、あなたのモノだよ」
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