キミは俺のモノでしょ

――マズイ、と思った。


「あんた、なにしてんの?」


立ち上がった雅から、恐怖……

ううん、狂気とすら思えるなにかを感じた。


「なんだその口の効き方は」

「うららに暴力ふるうな」


父を睨みつける雅。

こんなに怖い顔、見たことがない。


止めなきゃ。

……止めなきゃ!!


「そんなにこの子が大切か?」

「うらら傷つけていいのは俺だけだって思ってた」

「は?」

「だけど傷つけたいわけじゃなかった」

「なにをおかしなことを……」

「いい父親でいてよ。せめて……うららの前だけでは」

「!」


父が、目を見開く。


「じゃなきゃ……なにするかわかんないよ、俺」
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