キミは俺のモノでしょ
「俺を脅す気か? たかが高校生の分際で。誰に食わせてもらってると思ってる?」


雅の胸ぐらを、父が、掴む。


「やめて……」


わたしの声は、父には届かない。


「その生意気な口……」

「顔は傷が残りますよ? 父さん」

「知るか――」


――ダンッ


物音が聞こえてくる。

玄関の扉が開いた音……?


それから足音がどんどん近づいてきて、入口から誰かが入ってきた。


「誰だ、お前」


雅から手を離す、父。

よろめく雅。

雅に駆け寄る、わたし。


部屋に入ってきたのは


「すみませんねぇ、来栖さん。玄関開いてたもので」

「勝手に……」

「インターホン鳴らしたんですけど。聞こえないくらい夢中になって、なにやってたんです?」


――伊勢谷先生だった。

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