キミは俺のモノでしょ
雅と、連絡を取らない日が続いた。
だけどそれは、どちらかから『連絡とるのやめよう』って言ったわけじゃない。
自然とそうなった。
架里奈や永浜くん、それから航太くんそして伊勢谷先生からは励ましのメッセージが幾度となく届いた。
そこに、
『雅くんまた学年トップだったよー』
なんて報告がついてきたりした。
雅とわたしは離れ離れにはなった。
だけど。
「うららちゃーん。どしたの?」
「……なんでもない」
「あっ。例の……“好きな人”のこと考えてた?」
「……!!」
「わかりやすぅ」
新しい学校で、新しい友達ができた。
新しい街はとても自然の多いところで、学校帰りにカラオケに寄るということはもうできそうにないけれど、
「潮風が気持ちいいねぇ」
海岸沿いを自転車で通ると風が心地いいし
潮の香りがわたし自身を洗練してくれるようで
この街を――母の育った街のことを好きになれた。
「すごいねぇ。遠距離で、連絡もとってないのに好きでいられるとか」
「……きっとまた、会えるから」
「そっかぁ。ロマンチックだね」
絶対に。
絶対に、会えるから。