キミは俺のモノでしょ
高校を卒業したわたしは、東京の専門学校に進学が決まっている。


そして今日。 

一人暮らしを始めるために、上京してきた。


「なにかあったらすぐ連絡してね?」


改札口で、わたしを不安そうにみる母。


「うん。わざわざ見送りありがとう。忙しいんだから、こっちまで来てくれなくてもよかったのに……」

「なにいってんの。一人だと夜になっても着いてないんじゃない?」

「……否定できない」


このあたりの路線地図も道も、まるで迷路みたいだ。


「ほんとは一泊くらいしていきたいものだけど」

「すればいいよ!……って、お仕事あるもんね」

「遠慮しておくわ。今日のところは」

「……いつでも遊びにきてね?」

「ええ。雅くんに、よろしくね」

「え……ちょっともう、なにいってるのお母さ……」


「うらら」


――!?


振り返るとそこに――雅が、いた。

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