キミは俺のモノでしょ
「……えぇ!?……いいの?」

「もちろん。でも、お母さんを悲しませることはしないでね?」

「へっ?」

「雫さん。それは俺に言ってますか?」


雅がわたしに近づいてきて、ひょいとわたしの荷物を預かった。


「やだ。そんなことないのよ?」

「……気をつけます。十分」


なにを?


「うららの見つけた夢、俺も応援したいので」

「ありがとう。雅くんも忙しいだろうし、色々迷惑かけると思うけど……よろしくね?」

「平気ですよ。俺、この数年間、うららと幸せになるためだけに生きてきましたから」

「ちょ……雅、」


母の前でなにを言い出すの。

恥ずかしい。


でも、会えない時間、わたしを想ってくれていたのが嬉しい……。
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