キミは俺のモノでしょ
「雅くん」


母が、真面目な顔つきになる。


「どうか、うららのこと、よろしくお願いします」


雅に向かって深々とお辞儀をする母をみて、なぜか泣きそうになった。


「……こちらこそ、雫さん」


雅が同じように母に頭を下げる。


「それから」


母が顔をあげると雅に一歩近づき、こういった。


「……頼りないけれど。私は、あなたの母親だから」

「!」


雅が目を見開く。


「あなたのこと、息子って、思ってるから」

「……はい。……“母さん”」
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