キミは俺のモノでしょ
母と別れ、雅と歩き出す。
永遠の別れでもないのに、母と離れるのが寂しくなってきた。
お母さん……。
「よくうららみたいなバカの入れる学校があったね?」
「……!」
ひ、人が別れを惜しんでいるというのに。
そんな風にいうことないじゃん。
「これでも、死ぬ気で勉強したもん……!」
「あれだけ理解力に乏しくて。暗記だって幼稚園児の方ができるレベルなのに。奇跡が起きたんだ?」
「っ、」
「でもさぁ。なんで看護師なの?」
「それは……」
あの日
高1のわたしは風邪で弱った雅を看てから
人を救う仕事に就けたらいいなってほのかに思えて
そんな立派な人になれたら雅に少しでも近づけるかな、なんてことも考えつつ……
それを目標に雅に会うまで努力をしてきた。