キミは俺のモノでしょ
「ま、なんでもいいけど」

「なんでもいいとか言わないで……」

「向いてるかもね」

「……へ?」

「うららに看病してもらったとき、俺はうららが尽くしてくれて心からホッとできたし」

「……っ!? 邪魔がってたのに」

「そりゃねぇ。そうでも言わないと……」

「わたしにうつすって気を使ってくれてたんだよね?」

「それもあるけど。一番はそんな理由じゃない」

「え……じゃあ、なんで?」

「言ったでしょ。俺、あのとき、うららのこともっと俺のモノにしたくて仕方なかったんだよ?」

「……!!」

「離れなきゃ……父さんの邪魔が入らなきゃ、確実に……」

「確実、に……?」


ニヤッと笑うと雅はこういった。


「さぁ。どうなっていたと思う?」


……どうなっていましたか?


「だけど、よかった。あれから今日まで連絡とらなくて」

「え?」

「うららがこんなに可愛く成長してる姿、ひとめ見ていたら……ううん、声でも聞いたら俺、うららのこと監禁でもしちゃってただろうな」

「は!?」

「なんでそんな可愛く育ってんの?」

「えぇ……っ、」

「はやく二人きりになりたいなぁ」

「そんな……こと、言われても」

「なっちゃう? 今すぐ」
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