キミは俺のモノでしょ
「な、ならない、よ……!!?」


ちゃんと今日は新しい住まいに辿り着いて

新生活の準備をするという予定があるわけで……


「なりたいくせに」

「っ、」


だいたいこんな街中で二人きりになんてなれっこないし。


「まぁいい。うちへ帰ろう。帰って楽しもうね」

「うん!」

「……意味、わかってる?」

「わかってるよ?」

「ほんとかな」


ずっと楽しみにしてた。

雅に会える日を。

まさか今日だとは思わなかったけど、どこかで会えるって信じてた。


まだまだわたしは雅には遠いかもしれない。

だけど、ふさわしいって思ってもらえるように。

自信がもてるように。

これから一生懸命いろんなことにチャレンジしたいと思うよ。


これからどんな困難が待ち受けているかなんて

まるで想像がつかないけれど……。

雅となら、
とびきり頑張れそうな気しかしない。


「覚悟できてないとかいう言い訳は受け付けないから」

「へ……」

「待って、とかナシだから。いいよね?」


えっと。つまり。わたしは。

今夜、雅と……


ふぁ、ファ、


ファーストキ………


「でもまあ。今日のところは寄り添って眠るのも悪くないかもね。あの日みたいに」

「!」

「だってうららと俺は、これからずっと一緒なんだもんね?」
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