キミは俺のモノでしょ
——およそ、二週間後。
朝、教室へ向かう途中
連絡掲示板の前に人だかりができていた。
つい先日行われた中間テストの結果が廊下に張り出されていたためだ。
「あ、雅くん。おはよー!」
兄の存在に気づいた女子数名が駆け寄ってくる。
「すごいね! 学年トップだよ」
「そっか」
喜ぶこともなく、あっさり返事する兄。
「王子の余裕ハンパない」
「当然って感じ」
いつのまにやら王子呼ばわりまでされているし……。
兄が徐々に女の子に囲まれ始め、わたしは廊下の隅に追いやられる。
……先に行こう。
「うらら、掲示板見ていかないの?」
兄の問いかけに「うん」とだけ答えて教室に向かった。
どうせわたしは圏外だから、見るだけ虚しい。