キミは俺のモノでしょ
教室に着いた途端、喋ったことのない女子二人が近づいてきた。
「ねぇ、来栖さん。お願いがあるんだけど」
……ああ。またか。
「これ、雅くんに渡してくれないかな?」
昔から兄宛の手紙やプレゼントを預かることがある。
そわそわした様子でなにか手に持っていて。
媚びるような目でわたしを見てきたから、その手の依頼だとすぐにピンときた。
こんなとき、断りきれずに持ち帰るとたいがい
『そんなゴミいらないんだけど』
って兄から怒られて終わる。
兄は軽度ではあるが潔癖人間で、人からもらったものには好んで触れようとしない。
『手作りとか気持ち悪い』
『うらら、毒味してみる?』
そんなことを言って、わたしの口にクッキーを強引に入れてきたこともあった。
兄は、心のこもったプレゼントを台無しにしてしまう。
「ねぇ、来栖さん。お願いがあるんだけど」
……ああ。またか。
「これ、雅くんに渡してくれないかな?」
昔から兄宛の手紙やプレゼントを預かることがある。
そわそわした様子でなにか手に持っていて。
媚びるような目でわたしを見てきたから、その手の依頼だとすぐにピンときた。
こんなとき、断りきれずに持ち帰るとたいがい
『そんなゴミいらないんだけど』
って兄から怒られて終わる。
兄は軽度ではあるが潔癖人間で、人からもらったものには好んで触れようとしない。
『手作りとか気持ち悪い』
『うらら、毒味してみる?』
そんなことを言って、わたしの口にクッキーを強引に入れてきたこともあった。
兄は、心のこもったプレゼントを台無しにしてしまう。