キミは俺のモノでしょ
「お願いっ……!!」
差し出された手紙に視線を落とす。
手書きで【来栖 雅 様】と書かれている。
とても丁寧な字だ。
きっと、この子はこの手紙を一生懸命書いたのだろう。
兄のことを想いながら……。
ならば、自分の手で渡すのがいい。
わたしが受け取ってしまうと宛名の文字すら本人の目には入らないから。
「……直接渡したら?」
わたしの返事に、目を見開く女子。
どうしてオッケーしてくれないのと言わんばかりにショックを受けている様子だ。
隣で見ていた付き添いの子がいてもたってもいられなくなったようで「そんなこと言わないで頼まれてあげて?」と後押ししてくる。
わたしが受け取っても、いいことがない。
その子のためにならない。
だから、断っているのに……。
差し出された手紙に視線を落とす。
手書きで【来栖 雅 様】と書かれている。
とても丁寧な字だ。
きっと、この子はこの手紙を一生懸命書いたのだろう。
兄のことを想いながら……。
ならば、自分の手で渡すのがいい。
わたしが受け取ってしまうと宛名の文字すら本人の目には入らないから。
「……直接渡したら?」
わたしの返事に、目を見開く女子。
どうしてオッケーしてくれないのと言わんばかりにショックを受けている様子だ。
隣で見ていた付き添いの子がいてもたってもいられなくなったようで「そんなこと言わないで頼まれてあげて?」と後押ししてくる。
わたしが受け取っても、いいことがない。
その子のためにならない。
だから、断っているのに……。