キミは俺のモノでしょ
「うらら」

「……!!」


声のする方向に目を向けると、扉の前に兄が立っていた。


「わぁ。来栖雅がうちの教室覗いてる」


あんぐり口をあける架里奈が、ゆっくりとこっちに向かってくる兄を凝視する。


「なにしてるの?」


わたしの前までやってきた兄に尋ねられた。


「あ……このあと補習があって」

「その人たちと?」


兄が二人を順番に見ている。


「ううん、架里奈は……この子は違うよ」

「へぇ。そう」
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