キミは俺のモノでしょ
ああ。

今、本当にバカだなって呆れられてるんだろうな。

出来損ないの妹がいて恥ずかしいと心底ガッカリされてるんだろうな。


「とりあえずこのくらいでいいでしょ」


蛍光ペンを持つ手の動きが止まる。


「チェックつけたとこ全部まるごと暗記しておいて」

「全部……まるごと?」


そんな無茶な。

というか、もしかして今、わたしのためにチェックつけてくれていたの……?


「今チェックしたとこに、絞る。他は捨てる」

「捨てるの……!?」

「なにも満点合格を目指すわけじゃないでしょ?」

「それは、そうだけど」


そんなの果てしなく無理だ。


「うららは要領悪いんだから。バカなんだから。満遍なくやろうとしちゃダメだ」


いちいちグサリと言葉が突き刺さる。

わかっていても、改めて言われるのは辛い。


「点の配分が大きい、そこを落とすと破滅的なとこだけすればいい」

「なるほど……」
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