キミは俺のモノでしょ
「どうせ問題用紙見た瞬間怖じ気づいて、頭が真っ白になったんでしょ」


な、なんでそれを。


「こんなのなんにも難しいことじゃないんだよ?」


ほんとかなぁ。

わたしには公式が暗号に見えるよ。


「……覚えてみる。チェックしてもらったとこ」

「そのスカスカな頭にどのくらい詰められるか見物だね」


スカスカとか言わないでっ……。


「一年のうちから留年したら笑える」


笑えません。


でも……


「ありがとう、お兄ちゃん」


わたしの勉強をサポートしようとしてくれるなんて思わなかったから、嬉しい。


「別に。先生に約束した手前、なんにもしないわけにはいかないからね」

「それでも。ありがとう」

「お礼言う暇あるならさっさと勉強すれば」
< 73 / 438 >

この作品をシェア

pagetop