俺様野郎とパシリなあたし






蓮の唇の感覚を思い出すのは、これで二度目。


自分の唇に指を当てると、とてつもない羞恥に包まれた。


ぎゃあぁああぁ――っ!


「ちょっと!何してんのよバカ」


手から滑り落ちてしまったアルバムに、ちいちゃんの鋭い視線。


――…これは、早く拾わないとマズイな。


「ご、ごめん!」


本能的に感じた危機に、素早くしゃがんだあたしは、アルバムを拾おうとした。







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